今期ユーミン3曲目。1980年のアルバム「SURF & SNOW」より。

12月になったので今の季節っぽい曲ということで、やってみました。

この曲、ベスト盤からのセレクトという今年の企画でなければ選んでいなかったと思います。アルバムのメインテーマの曲でありますが、とってもバブリーでホイチョイの匂いがプンプンして、軽薄な印象を受けるからです。

でも、やってみて印象は一変しました。

目立たないけど曲構成のギミックはあるし、アレンジも楽器数が多くて贅沢、そして演奏難易度が結構高いです。

ピアノの使い方ですが、クローズドにコードとリフを織り込んでいて、リフのフレーズをオクターブで補強した演奏になっています。これにフェイザーを効かせたバッキングギターが絡んでサウンドボディを作っています。

イントロ終わりで「Surf&Snow」のコーラスが爽やかに響き渡りますが、雪山でヤッホーしてる雰囲気がとても良いですな。

この曲のコーラスは、ほとんど英語です。そして歌のメロディの合間を縫うように呼応してるアレンジが素晴らしい。

曲の構成なんですが、普通、曲は8小節が単位になってブロックを作っていきます。打ち込みも、8小節単位でイベントを刻んでいくことが多いのですが、この曲の歌の部分をどう区切ってよいものかちょっと迷いました。

歌いだしがリズムブレイクになっていて、2小節目からリズムが復活するのですが、7小節でまた次のリズムブレイクとなります。トータルで見ると、ちゃんと8小節区切りになってるんですけど、あれれってマジックを感じる展開でした。まぁ耳で聴いてるぶんには関係のない話なんですけどね。

この時代はまだ、シンセは多用されていません。オルガンが活躍しています。でものべつまくなしに入っているわけではなく、要所要所にちょっとずつ使用されています。オーケストラで言えば、ハープみたい。あれっ、オルガンってこういう使い方するんだなって意外でした。

間奏、エンディングにソロを取るのはベダルスチールというスライドギターです。この楽器、前にもどこかで書いたと思うんですが、打ち込み泣かせの楽器でして、一部の弦だけピッチベンドしたり、弦ごとにベンドの音程が違っていたりするのです。

単一の音源でこれに対応するには通常のMIDIではだめで、SteinbergのVST3規格に則った音源でなければなりません。まぁCubase付属のHALionは対応しているのですが、肝心の音色がイマイチ。なので、今回は2トラックにわけて、通常のピッチベンドで対応しています。

エンディングはその長いベダルスチールソロです。歌い終わってからも結構長い時間演奏だけになってます。正隆氏、時々こういうのやるよね。まぁ曲は歌だけじゃないんだよね。彼のお得意のカントリーサウンドやりたかったのかな。