今期キリンジ5曲目は、KIRINJIになって最初のアルバム「11」より。

2014年8月発売のアルバム「11」は新生KIRINJIのデビューアルバムです。
バンド形態となり、女性アーティスト2人を含む門出にふさわしく、アルバムのトップを飾る曲になっています。

曲調は以前のキリンジを引き継ぐ感じ、基本ドラム、ベース、ピアノ、ギター、+αなサウンドです。

エイリアンズをやっていた頃のキリンジはブラスやストリングス、所謂オケに彩られていましたが、+αな部分がだいぶ変わっています。

まず特徴的なのが、ペダルスチール。この曲ではシンセリード的に単音でヒョーンってなっていることが多いですが、シンセと違って人間味があるなんとも特徴的な響きです。時折聴こえる超高い音がキンキンしてない柔らかい音です。

その他にキーボード系と思われる音色が3つ認められます。キラキラ系と木管系とシャカシャカ系かな。キラキラ系がギターと対をなしていて美しい。

これらの楽器のアンサンブルが間奏のギターバックに繰り広げられています。

ストリング系が無いんですよね。この代わりの位置づけなのが、分厚いコーラスなのではないかと思います。ここに女声が効いています。

ドラムですが、サビでマーチになるのがいいですよねぇ。この展開はヤバい。

さて、進水式という船の門出を祝う曲ですが、短編映画『ひもかわラプソディ』の主題歌とクレジットされています。ミュージックビデオもドラマ仕立てになっていて、横浜の埠頭で撮影されているので、あぁ、映画の一場面なんだろうなぁと思っていました。

映画の公式ホームページを見ると、それほどメジャーな映画祭ではなさそう。「ひもかわ」は群馬県桐生市の特産の幅広なうどん。あれっ、MVは何で横浜埠頭なわけ??

YouTubeでMVを見ていたら、関連動画で25分の映画が丸ごと公開されているのを発見。中村佳代監督のオフィシャルチャンネルということで、YouTube公開が2020/05/01だって。

今日(2020/05/09)の8日前ではありませんか。なんという事でしょう。
早速拝見させていただきました。

進水式は主題歌というより、エンディングです。ちなみにオープニングに流れているのは「11」収録の雲吞ガールのインストバージョンですね。

映画はずっと桐生で、割と唐突に終わります。あれ、MVは映画の場面じゃぁなかったんだな。

というか、映画を見て、それからMVビデオを見ると、からくりが分かります。MVも中村佳代監督が撮っているんです。