前回の更新から1週間ほど空いてしまいましたが、またアップロードを再開します。
今回から、スティーブ・ハケット、1975年、ジェネシス在籍時のソロアルバム「Voyage of the Acolyte」です。

眩惑のブロードウェイのツアー終了直後に録音されたということで、ピーター・ガブリエルの脱退宣言との前後関係はよくわかりませんが、フィル・コリンズ、マイク・ラザフォードが参加しており、間違いなくThe Other Side of GENESISという仕上がりになっています。

僕が最初に聴いたのは、知り合いに借りてだと思います。ジェネシスのメンバー名などはほとんど知らない時なので、これがギタリストのソロアルバムとは思いませんでした。派手なギターソロはなく、むしろシンセの音が耳についたので、当初はキーボードの人かと思ったくらいです。プレイより、曲の発表を主にしていたのですね。

でも、よく聴くとギタリストのアルバムということが分かります。ピアノの代わりにギターのアルペジオが全面に聴こえています。

その他、フルートやオーボエ、チェロなどが使われており、ジェネシス以上にリリカルなクラシック的サウンドになっています。

すべての曲のタイトルがタロットカードに因んでいるのも特徴ですね。また、曲相互に同じフレーズを使いまわしているところもあり、その当時流行の、トータルアルバムになっている、という所がプログレ好きにはまたたまらなかったり・・・

で、1曲目。Ace of Wandsです。

Wandsとは、トランプのクラブに当たる棍棒のことです。クラブのエースという事ですね。

ちょっと脱線しますと、Final Fantasy 11でカーディアンという魔法人形群が登場しますが、その名前も同様の体系になっているのです。

硬貨 Coins ダイヤ
杖・棒 Batons クラブ
聖杯 Cups ハート
剣 Swords スペード

Wandsがありませんが、BatonsがWandsに当たります。
タロットでの意味は、「出発点」だそうな。ふむふむ。

さてさて、曲についてです。

のっけから変拍子のフィルインで始まります。
オクターブの力強いギター。バックにアコースティックギターもわずかに聴こえます。これがいかにもプログレっぽいシンセに引き継がれます。わくわくしますね。

次にピッコロ風の速い音が流れ、チューブラベルが鳴り響きます。ジェネシスっぽいようなそうでもないような・・・

印象に残るメロディはシンセで演奏されてます。ギターはバックに徹してますね。やってることは結構複雑だけど。だからキーボードのアルバムだと思ってしまったのです。

ベースに乗って、印象的なコードをかき鳴らした後、いきなりテンポが変わって逆回転ギターが出てきます。この人、こういう展開が好きっぽいです。後日、静寂の嵐でもやってます。

ここからが本番って感じでギター、たくさんハモってますね。ここのメロディは別の曲でも出てきますよ、お楽しみに。