アルバム「オリジナル・サウンドトラック」より、「２度目の最後の晩さん」です。

どこか人を食ったようなサウンドの10ccですが、この曲、それに極まれりという感じです。
だいたいタイトルからしてキてますよね。と言っても、内容はよく分かってないんですが、キリストに呼びかける歌らしいんだけど、ハードロック調です。
ハードロックってカッコいいギターリフがあって、パワーコードを鳴らし、シャウト！ レッド・ツェッペリンやディープ・パープルが確立したサウンドで、僕も結構好きです(ただし、メタルと呼ばれるジャンルは嫌い)。
で、たしかにそういう要素は揃ってるんだけど、なんでしょうね、それを茶化しちゃってるような印象は。

ギターのリフはいちおうそれっぽいのですが、それをオクターブで重ねちゃってるのと、リフの最後でチャンチャカチャーンってくるのがたまりません。そして一旦ポップになってしまいます。

2本のギターは結構ギンギンに弾きまくっているけど、エレピがポヨンと入っていて、それが実際の和音付けをしてるんですね。ギターはずっとBmで押しちゃってるんですが、エレピが細かくコードを動かしてます。う～ん、さすがだ。
ピアノが入ってからの展開は、やはり良質のポップスですね。
ピアノがホンキートンクピアノに変わり、dimやらaugコードを使ってもやもやさせた後、キメはハードロック調に。

ギターソロもなぜかコミカルに聴こえるなぁ。

曲の最後はロックンロール調のピアノが乱入して、ギンギンに乗りまくります。

あー、書いていて今思ったのだけど。
ハードロックって、カッコつけというか、苦悩の表情をして、全身全霊でエネルギーをぶつけるような、そういうところがあると思うのですが、実はギターリフってそんなに顔をしかめるほど難しくは無いのです。
10ccの演奏はそういうタメとか重さを一切ださないで、定番フレーズをこんなのかるーい、かるーいって感じでやるんですよね。
そういう痛快さなのかな。

よくわかんないけど、歌詞の内容は結構重いんじゃないでしょうかね。そういう真面目さと茶化しちゃう所が表裏一体となっているのが彼らの魅力だったんだと思います。