関ジャムJ-POP BEST 9回目は12位、椎名林檎のギブス(2000年)です。

この人の曲をやるのは初めてです。なんかアクが強い感じがして毛嫌いしてました。どの曲も同じように聴こえてしまうのですが、それを言ったらユーミンなんかもそう聴こえてしまう人がいるでしょう。要は好みの問題に過ぎないかも。

他の曲じゃなくてなんで「ギブス」なのかというと、2000年以降という縛りのせいですね。

さて、例によって伴奏はぐちゃぐちゃしています。もう慣れてきたかな。J-POPはそういうもの? 彼女の声質と合うのでしょうね。

とはいえ、なんでギターの音がこんな破壊的なのかね。実に汚い音に聴こえてしまうのですが、まぁ50年前にはビートルズの曲はその時のオトナにはこう聴こえていたのでしょう。慣れの問題か。たぶん、汚い音の美学があるんだよなぁ。

J-POPの特に歌モノに感じるのは、アレンジ的な仕掛けはあまりなく、ベターっとコードをかき鳴らしている印象。ですが、細部を見ると実は仕掛けがあるんですね。

サビはベース、ドラム、ギターが爆発していますが、それまではドラム無し。ではなかった。別系統のパーカッションが入っています。バスドラ的な音に、裏ではコンガみたいなのが3連、16音符を繰り返しながら複雑なビートを作っていて、そこに時々シンセ系のパーカッションがアクセントをつけています。時々それが鳴りやむ瞬間があるので、その時にハッとして何かなっていたのに気づくんですね。

2番のAメロでは風の音のようなノイズが乗ります。ノイズにバンドパスをかけて音域を上下させているような音です。

ギターが間奏などで出しているのはピッキングハーモニックスですが、同じ弦、同じフレットを使っていながら2倍音と3倍音を使い分けています。これをかなり歪ませて使っているのでだいぶクセの強い音になりますね。

エンディングの途中に2拍分だけシュパパパという効果音が入っていますが、これはハープでペンタトニックをピロロロンと弾いた音を逆回転させています。