The Dark Side of the Moon(狂気)の最終回です。4曲あるのですが、全部つながっているので切るわけにも行かず、17分になっちゃいました。

・Us and Them
この気だるさがたまりません。8分近くある長ーい曲です。この長さはきっと歌詞で聴かせるんだろうなと思いつつ、日本人の僕には完全に理解できないのが悲しいところです。ボーカルにはリズムとシンクロしたディレイがかかっていて、それが次の曲につながります。

・Any Colour You Like(望みの色を)
Colorではなく、Colourですよ。イギリスですね。
キーボードにリズムにシンクロしたディレイをかけ、ハーモニーを作っています。適当に弾いているようですが、ディレイを計算してメロディを作っているように思います。しかもキーボードは左右2つ鳴ってます。たくさん重なっているところはコピーが非常に難しかったです。
また、ギターもフランジャーを目いっぱいにかけているのと、そうでないのと2つ使っています。掛け合いみたいに左右でリズムを振ります。10－12フレット付近で2弦を一緒に弾くブルースでの定番パターンなんですが、フランジャーとディレイキーボードそして、ベース補強のシンセのおかげでとってもカラフル。

・Brain Damage(狂人は心に)
D-G7-D-G7-D-E7-A7-Dというとてもシンプルなコード進行で、一見楽しそうな曲なのですが、タイトルのとおり、とても不気味に感じるのは何故なんでしょう。この曲の冒頭のDコードは、1小節だけD#音が響いているのですが、これって間違いではなくわざとですよね？この音が不気味さを作っていると思うんですけど。

・Eclipse(狂気日食)
最後の曲、EclipseはD-D/C-B♭-Aの繰り返しです。ロンドンオリンピック開会式のフィナーレでも流れていました。ギターはD-Dと弾いてB♭の部分にはE音を鳴らします。
最後にはまた心臓の鼓動を模したバスドラが流れて終わります。

全体として、アルバムのサウンドを特徴付けているのはフランジャーのかかったギターですかね。あれで浮遊感を作っていました。それとロックグループの女声3人コーラスも斬新でした。

僕にとってのピンク・フロイドは「おせっかい」と「狂気」と「炎」です。「原子心母」のオーケストラは嫌いではないが、あまり心に響きません。「ザ・ウォール」はまともに聴いていません。ですが、このアルバムはジャケット絵のプリズムも絶妙に音楽にマッチしていて、今でもお気に入りの1枚です。

5回に分けてアップロードした動画をプレイリストで1つにまとめました。