10cc 1977年のアルバムDeceptive Bendsから、The Things We Do for Loveです。

10ccから、サウンド作りを担ってきたゴッドレイ&クレームが抜けてしまった直後のアルバムで、ポップス組のスチュワート&グールドマンだけで頑張っています。
4人の10ccは、言ってみれば毒入りのスゥィーツだったのですが、毒が抜けてしまって、コクが無くなり、甘ったるいだけのバンドになってしまいました。それでも、まだこのアルバムは毒の残滓が残っており、聴き応えがあります。
アルバムの邦題は「愛ゆえに」ですが、これはDeceptive Bendsの日本語訳ではなく、今回取り上げる収録曲「The Things We Do for Love」の訳です。まぁタイトルにふさわしい曲ということですね。

彼等はファーストアルバムでパロディソング的なことをやっているためか、コミックバンド扱いされていたこともあるようですが、ポップセンスは抜群です。(そういえば、エリック・スチュワートは80年代にポール・マッカートニーのアルバムに参加し、楽曲を提供していました。)

そんなせいか、なんとなく人を食ったような雰囲気があります。この曲も愛をテーマにしているのに、ギターのカッティングが「ズンチャッチャ・ズンチャ」です。これ、何でしたっけ？レゲエ？ちょっと違う？

演奏面でピアノ中心ではありますが、サビのオルガンが効いています。あと、Bメロの頭でシャラーンと効果的にウィンドチャイムを鳴らしてますね。コーラスも重厚でうーん、やはり10ccだな。
そして間奏ではギターを相当重ね弾きしています。
今回の録音にあたり、ギタートラック超過でメモリ不足になりそうだったので、部分トラックダウンをしてこらえています。

ウィキペディアに拠れば、この曲、全米で5位のヒットをしたそうです。1975年にヒットしたアイム・ノット・イン・ラブの下地があってのことでしょうが・・・いい曲ですしね。