ユーミンの曲、ファーストアルバムに戻ります。
A面ラストの「きっと言える」

1973年リリースという事ですから、彼女は19歳！少女以上、成人未満の女の子の切々とした恋心が見事に表現された曲。

作曲の見事さについては、色々書かれてますね。転調を繰り返してます。短三度ずつ上がっていくので4回転調して元に戻るのですが、元に戻るというより、無限上昇の感覚に近いです。これがこの曲の高揚感の仕掛けですね。

彼女はピアノを弾いてます。イントロでは低音部が良く聴こえますが、エレピが入ってくるあたりから目立たなくなっています。正隆氏のエレピはいい感じにテンションを含んでいていい雰囲気ですね。

この曲には生ギターとエレキギターが入ってますが、結構生ギターの音が生きてます。イントロではベースとハモっていて独特の音をつくってます。

ドラムですが、イントロはハイハットをシュリシュリさせますが、本編に入ってからは2拍4拍にアクセントを置いてドンドン鳴らす叩き方、高鳴る鼓動にも似た響き。そしてサビではたたみかけるように迫ってきます。

テンポも次第に速くなっていきます。

ユーミンの歌い方のハイライトは最後の方の「あなたが好き」で、かすれるように歌う所ですね。これ、偶然そうなって、ディレクターが気に入って失敗テイクにしなかったというような話をどこかで聴いたけど、これ、秀逸です。

ギターは典型的な鈴木茂節だけど、サビの部分、トレモロが掛かっていてそれが畳み込むような雰囲気に合っている所かなぁ。

最後はSaxについて、例によってSaxの打ち込みは難しいのだけど、レガート音の使い方が分かったので、以前よりはマシになったかも。