今回からフュージョンバンド、Stuffを何曲かやってみます。

プログレが最盛期を過ぎた後、それに代わるように流行って来たのがジャズとロックの間の音楽、クロスオーバーというジャンルで、それがいつしかフュージョン(融合)と呼ばれるようになりました。

Stuffはニューヨークのスタジオミュージシャン達が結成した6人バンドで、ドラムx2、ベース、ギターx2、キーボードという編成。

数多のアルバムでバックを務める名うてのミュージシャン達という触れ込みで、フュージョンの申し子とも言うべきサウンド。

当時、これからはフュージョンだよね、ということで聴くようになった音楽好きは多かったと思います。

こういうのいいよね、とは思うものの、いざ自分たちで真似ようとすると、なかなかハードルが高い。そう、ロック仲間にはこういうのがさらっと弾けるキーボードがいないの。

ギターは掃いて捨てるほどいるのにね。

ということで、当時の僕は無謀にもキーボードをやってみようと思い立ちます。ピアノの経験は、幼少期に叔母に習ってバイエル103番まで弾ける程度。白玉ならコードがなんとか弾けたかな。

その程度でフュージョンの真似事をやってる時期がありました。Stuffの曲もいくつかレパートリーに入っていました。そんな程度だったので、聴くに堪えない演奏だったと思います。今回はそのリベンジのようなもの。

Stuffって、有名ソロミュージシャンのバックミュージシャンだからスタッフなんだと思っていたんですが、綴りを確かめたら、それだとStaffなんですよね。Stuffって「物」のほう。あ、そうなんだ。なんでこっちなんだろう。

宇宙飛行士を題材にいたライトスタッフという映画がありますが、それだとRight Stuff。そういう語感なのかも知れません。ま、知らんけど。

Stuffは売り文句が効いて、日本では売れたけど、アメリカではそんなにヒットはしなかったようです。僕も6人のメンバーで、Stuff以外での活躍を知っている人は、ドラムのスティーブ・ガッドぐらいです。

今の耳で演奏を聴くと、売れなかった理由が分かるような気もします。なんというか、ガツンとくるような個性が感じられない感じ。全員が脇役なんですよね。

まあいいや。でも当時はありがたがって聴いてました。

さて、初回の選曲、キーボードのリチャード・ティー作のMy Sweetnessは、Stuffを知らない人も多分知ってる曲です。そう、NHK-FMの「軽音楽をあなたに」のオープニングテーマに使われていました。

これ、洋楽の新譜アルバムを惜しげもなく丸ごと流すという、貧乏学生にとっては神のような番組でしたね。

で、中身ですが、ひたすらエレピ無双な曲です。今回コピーしてみると、コード進行など、とても高度な事をやってるような気がします。ちょっと解説するほどの知識がないんですが、なんでこのコードでこのベースになるんだろうってのがありますね。

中間とエンドはワンコードでファンキーなリフになります。ここ、なかなかうまく行きませんでした。エレピ、クラヴィ、ギター、ベースが絡み合っていて何がどうなっているのやら。クラヴィの音色も結構重要で、手持ちの音源では左手と右手を別の音色にしないと感じがでませんでした。