ポール・マッカートニー＆ウィングス1973年のアルバム、Band on the Runからです。その後シングルカットもされています。

しばらく難解なのが続いたので、明解?なのもやりたくなって演ってみました。
結構出来が良かったのでアップロードします。

アルバム発表は1973年末、シングルカットが翌74年2月だそうです。プログレ真っ盛りの頃です。

ポールはウィングス結成後、音楽的にはあまり評判が良くなくて、前作のレッドローズ・スピードウェイもイマイチの出来でした。ですが、このアルバムの大ヒットで挽回したのです。僕もウィングスの作品では一番好きかもしれません。

僕がカバーして出来がまぁまぁというのは、そもそも曲自身が良いからです。カリスマで歌うジョンの曲はこうはいきません。

力強いブラスセクションとそれにシンクロした歪ギターがサウンドの中心です。このギターの音色はビートルズ時代にはなかったものです。あ～ちょっと違うな、ビートルズにも歪んだ音を使っている曲はたくさんありますが、それとは違って、なんと言いましょうかこのサウンド、キング・クリムゾンの21st Century Schizoid Manに通じるような気もしますな。

ギターのスクラッチが随所に入っています。Aメロではベースがシンセで補強されています。

演奏で難しい所は全くありません。むしろビートルズの時より簡単になっています。でも仕掛けがたくさんあって、やはりポップスの作り方なのだなと思います。サビと次のAメロのつなぎの部分のギターなど、明解で、弾いていてなかなか楽しいです。

これらの作りは、おそらくライブを意識していたのだろうなぁ。ライブをやめてからのビートルズは音作りが凝りまくっていましたが、それはレコーディングがすべてであって、ステージでの再現を全く考慮しない芸術品でした。RAMの頃のソロも若干その傾向がありました。
ですがウィングスはライブ志向であり、曲はシンプルになっていました。素人のリンダを引き入れたため、そういう配慮もされていたのでしょう。シンセのソロとか非常に簡単なだけど目立つフレーズです。

終わりの部分にサックスが単独で入っていますが、ブラスとはまた違って非常に艶っぽい。なかなか効果的な使い方です。