Fulfillingness’ First Finale B面1曲目。邦題「悪夢」

この曲がヒットしていた頃、何で「悪夢」なのかって分からなかったのですね。歌詞にはnightmareって言葉は入っているけど、どうもポリティカルな現実批判をした歌なんだそうで。原題を訳すと「お前は(やるべきことを)何もやってない」という事らしい。

なるほど、サウンド的にはSuperstitionの類なのかと思ったら違う指向の歌でした。

例によってギターなし。そしてそれ以上に存在感のあるクラヴィネット。

イントロは本編とは別の雰囲気になっていて、黒鍵のグリッサンドを繰り返す形になっていますが、これの最高音を拾ってみると、無節操にグリッサンドしているのではなく、きちんとリズムを取っているのが分かります。それに続く尾は反射を繰り返すようになっています。

ここに無機質に響くリズムボックスが妙にマッチしています。

本編にはいると、重たいリズム。このドラム、スティービー自身がやっているので、通常のドラマーの叩き方ではありません。スネアらしき音はほとんどなくて、重いタム(あるいはキックか?)、時おり入るクラッシュシンバルはとっても大きい音で録音されてます。
Aメロはずっとワンコード(Ebm7)で攻めますが、Bメロ/サビは結構凝ってます。
Ab7-F7-F7-Bb7-Eb7-Bb7(#9)-Ebm7という流れ(適宜9thや13thのテンションあり)ですが、僕としてはF7が2回続くところが意外というか不思議な感じ。ジミヘンコードの#9thでキメてEbm7に戻りますが、ブラスのリフを聴くとメジャーで吹いてますので、このあたりはブルースっぽくずっと#9thが続いてるって感じですね。

リフレインのバックコーラスはマイケルジャクソン在籍時のジャクソン5。今思うと豪華な顔ぶれです。