今期10cc5曲目。1977年のアルバム Deceptive Bends より。

ゴドレイ/クレームが抜けてスチュワート/グールドマンの2人になった以降の10ccは、スパイスがかかっていない料理のようで、魅力は半減してしまったのだけど、それでも、まだ聴きごたえは残ってます。

Deceptive Bendsというアルバムは、邦題は「愛ゆえに」で、ジャケットが潜水服で女性を抱っこしてる、という意味不明なもので、訳がわからなかったのですが、今回日英のwikipediaをちゃんと読んで、やっと理解できました。

まず、邦題の「愛ゆえに」はアルバム2曲目のThe Things We Do For Loveのこと。これはすぐわかりますね。じゃぁ、アルバム原題は?

Deceptive Bendsをどう訳すか難しいんですが、なんと道路標識に書いてある文言なんだって。ロンドンから南へ延びるA24号線に危険なカーブがあって、注意喚起の標識があったそうです(もう無いらしいけど)。超意訳すれば「人を惑わせるカーブ、注意!」という感じかな。

で、それをタイトルにしたんだけど、10ccのことなので、Bendsを「カーブ」じゃなくて、「潜水」という意味に替えてしまったそうです。まぁDTMerとしては、bendはピッチをぎゅいっと下げるピッチベンドでお馴染みな言葉なので、「潜り」ってのはわかります。

で、今回のPeople In Loveですが、2人が抜ける前から手掛けていたようで、4人での録音バージョンがアンソロジーボックスセット(Tenology)に収録されています。が、アレンジが奇抜過ぎて、あまりいい感じじゃありません。

この曲に限っては、2人10ccバージョンのほうがずっと良いと思います。